登録販売者の過去問活用法|合計点と章別得点から復習を進める
この記事の結論
- 登録販売者試験の問題は全国10ブロックで作成され、各都道府県の公式サイトで公開されています
- 合格判定には総得点だけでなく各章の基準点があり、章ごとの採点が欠かせません
- 40問出題される第3章で得点が伸びないと、残り4章で極めて高い正答率が要求されます
- テキストを全巻読み切るのを待たず、章を読み終えるごとに過去問で定着を確認します
- 手引きの改訂があるため、第4章などの古い問題は現行制度の記述と照合して使います
この記事を監修
平沼柊哉
登販道場 代表
登録販売者試験の過去問は、全国10のブロック単位で別々に作成されています。同じ年度であっても、北海道・東北ブロックと関西広域連合では異なる問題が出題されます。つまり、1年分の試験で10セットの過去問が存在します。受験地の問題だけを何周も解いていると、同じ問題の答えを覚えてしまい、初見の問題に対応する力がつきにくくなります。
この記事の対象読者
- 過去問を何年分、どの順番で解くべきか迷っている方
- 模擬試験や過去問で合計点は足りているのに不安が残る方
- テキストをすべて読み終えてから問題を解こうと考えている方
過去問は各自治体の公式サイトで公開されている
試験問題と正答は、各都道府県の薬務主管課のウェブサイトで試験終了後に公開されています。演習用の過去問は、これらの公開資料から入手できます。

試験問題を作成する10ブロックは、次の地域区分で構成されています。
- 北海道・東北
- 北関東・甲信越
- 南関東
- 北陸・東海
- 関西広域連合
- 奈良県
- 中国
- 四国
- 九州
- 沖縄
同じブロック内の都府県は原則として共通の問題を使用します。たとえば南関東ブロックで受験する場合、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県のどこから過去問を入手しても内容は同一です。
試験日はブロックごとに異なり、例年8月下旬から12月にかけて分散して実施されます。自分が受験するブロックの日程が遅い場合は、同年度内に先行して行われた他ブロックの問題を直前期の演習教材として活用できます。
年数ではなく解くセット数で演習量を把握する
登録販売者試験の演習量は、年数ではなく「何セット解いたか」で数えます。1年で10セット作られるため、直近3年分だけでも30セットの問題があります。
学習計画を立てる際は、受験地の直近3〜5年分を軸にしつつ、近隣や他ブロックの直近2〜3年分を組み合わせる進め方が実用的です。すべてのブロックを解く必要はありません。出題の根拠となる手引き(厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」)は全国共通であるため、他ブロックの問題を解くことで同じ知識に対する異なる角度からの出題に慣れることができます。
同じブロックの過去問ばかりを繰り返すと、選択肢の並び順や文末の言い回しで正誤を覚えてしまい、知識の定着度合いを正確に測れなくなる点に注意が必要です。
合計点と章別の点数を両方確認する
過去問を解いたときは、総得点だけでなく必ず章ごとに正答数を出します。登録販売者試験には、総得点の基準と各章の基準点の両方を満たさなければならない合格基準があるためです。
一般的な合格基準の枠組みは以下の通りです。ただし、各章の足切り基準(35%または40%)などの詳細は実施自治体の受験案内で定められているため、出願先の案内を必ず確認してください。
| 判定区分 | 合格基準の目安 |
|---|---|
| 総得点 | 全120問中、おおむね7割(84問)以上 |
| 各章の基準点 | 各章の出題数に対し、35%〜40%以上 |
各章の出題数と、35%および40%の足切りラインとなる正答数は次の表のようになります。
| 試験項目 | 出題数 | 35%ライン | 40%ライン |
|---|---|---|---|
| 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 7問 | 8問 |
| 第2章 人体の働きと医薬品 | 20問 | 7問 | 8問 |
| 第3章 主な医薬品とその作用 | 40問 | 14問 | 16問 |
| 第4章 薬事関係法規・制度 | 20問 | 7問 | 8問 |
| 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 7問 | 8問 |

合計で90問正解していても、第2章が6問にとどまっていれば不合格になります。合計点だけを記録していると、特定分野の知識不足を見落とす原因になります。
第3章の正答数が他章の負担を左右する
第3章は全120問中40問を占めており、配点の3分の1にあたります。この章の得点状況が、試験全体の合否設計に大きく影響します。
仮に第3章を足切り線上の14問(35%)で通過した場合を考えます。合格に必要な総得点を84問とすると、残りの4章(合計80問)で70問を取らなければなりません。残り80問に対する正答率は87.5%が求められます。苦手な章が1つでもある状態で9割近い正答率を維持するのは容易ではありません。
一方、第3章で28問(70%)を確保できれば、残りの4章で必要な正答数は56問(70%)となります。第3章の得点が伸びると、残りの章で必要な正答数を減らせます。
第3章を単に足切りを回避する章と捉えず、7割以上の得点を目指して準備することが全体の安定につながります。第3章の学習法については第3章を得点源に変える科学的暗記法と頻出成分リファレンスTOP30で解説しています。
テキストの読了を待たずに章単位で解く
5つの章をすべて読み終えてから過去問に入ると、第1章を読んだときから時間が経ち、記憶が薄れた状態で解くことになります。効率的な学習手順は、章ごとにテキスト確認と問題演習を往復する形です。
1つの章を読み終えたら、その章に対応する過去問を解きます。正答できなかった問題があれば手引きやテキストに戻って解説を確認し、知識を修正します。この作業を章ごとに完結させてから次の章に進むことで、学習初期の段階で苦手分野を特定できます。
試験直前になってから苦手分野に気づく事態を避けるためにも、インプットと過去問によるアウトプットは並行して進めます。学習の進め方と計画例は登録販売者の独学勉強法にまとめています。
復習なし(一夜漬け)
分散学習(適切なタイミングで復習)
※ 数値はイメージです。実際の忘却曲線はエビングハウスの無意味綴りの実験に基づいており、意味のある知識はこれほど急には忘れません。
手引き改訂に伴う過去問の注意点
過去問を解く際は、厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」の改訂に留意する必要があります。すべての問題が一様に古くなるわけではありませんが、改訂の影響を受けやすい章が存在します。
とくに第4章の「薬事関係法規・制度」は、医薬品医療機器等法などの法令改正や制度見直しに伴い正誤判断の基準が変わることがあります。古い過去問を解く際は、当時の正答をそのまま覚えるのではなく、現行の手引きに沿った内容か確認が必要です。第5章の安全対策情報や副作用報告の規定も、制度改定の影響を受ける場合があります。
なお、2026年5月1日には指定乱用防止医薬品に関する新たな制度(18歳未満に対する複数個・大容量製品の販売禁止など)が施行されています。こうした法令上の実務ルールと、試験で問われる手引き記載事項の双方について、現行の規定を把握しておくことが大切です。
一方で、第1章の薬理・薬害の歴史や、第2章の人体の構造と働き、第3章の基本的な薬効群と有効成分の多くは、手引きの改訂による変更が比較的小さい分野です。これらは数年前の過去問であっても、知識の確認用として有効に活用できます。第4章の整理方法は第4章 攻略ガイドで取り上げています。
過去問演習の進め方
過去問に取り組む際は、年数にとらわれず複数のブロックの問題を使って演習量を確保します。採点は必ず章別に行い、足切りラインを意識しながら各章の理解度を点検してください。
配点の大きい第3章を安定した得点源とし、テキストの通読と問題演習を章ごとに繰り返すことが合格への堅実な手順となります。第4章などの法規分野では、現行の手引きの記載に基づいているかを確かめながら演習を進めてください。
よくある質問
登録販売者の過去問はどこで手に入りますか?
各都道府県が試験終了後に公式サイトで問題と正答を公開しています。試験問題は全国10ブロックで共同作成されているため、同じブロック内の自治体は共通の問題です。他ブロックの問題も同じ手引きに沿って作られており、演習用として活用できます。
過去問は何年分解けばよいですか?
年数ではなくセット数で確認します。全国で1年あたり10ブロック分の問題が作られるため、直近数年分でも多くのセットが存在します。受験地のブロックだけでなく、他ブロックの直近の問題を解くことで、多様な問われ方に慣れることができます。
過去問はいつから解き始めればよいですか?
テキストを全章読み終えるのを待たず、1つの章を読み終えた時点でその章の過去問に取り組む方法が合理的です。章ごとに理解度を確かめながら進めることで、早い段階で苦手分野を把握できます。
合計で84点取れていれば合格できますか?
合計点だけでは判断できません。総得点7割(120問中84問)以上に加えて、各章に設定された基準(35%または40%など、実施自治体の受験案内で規定)を満たす必要があります。基準を下回る章が1つでもあると、合計点にかかわらず不合格となります。
古い年度の過去問を解いても問題ありませんか?
手引きの改訂が影響する分野に注意が必要です。とくに第4章の法規や第5章の適正使用などは制度変更が反映されるため、古い問題の正答が現行の手引きと一致しない場合があります。第1章から第3章の基礎的な知識は、古い年度でも演習に使えます。
参考文献・情報源
- 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」
- 厚生労働省「登録販売者試験の実施について」
- 岡山県「医薬品の適正使用について(濫用等のおそれのある医薬品)」
📝 更新履歴
- 2026年8月15日:初版公開。2026年度の試験日程と合格基準をもとに作成
- 2026年9月17日:本文と関連情報を見直し、説明を整理
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