登録販売者 第4章 攻略ガイド|足切りを回避する法規の覚え方【令和8年4月手引き対応】
この記事を監修
平沼柊哉
登販道場 代表
この記事の結論
- 第4章は20問。総得点が7割を超えていても、この章の足切り(35〜40%)にかかれば不合格になる
- 令和8年度試験は「手引き(令和8年4月)」から出題され、2026年5月1日施行の改正薬機法が反映されている
- 変更の柱は指定濫用防止医薬品・特定要指導医薬品・特定販売の3点
- 指定濫用防止医薬品は6成分から8成分へ。デキストロメトルファンとジフェンヒドラミンが追加された
- 条文の丸暗記より、「誰が・何を・どこまで」の3軸表と語尾の見分けのほうが得点に直結する
登録販売者試験には、総得点とは別に章ごとの足切りがあります。第3章で高得点を取っても、第4章が6問なら不合格です。しかも問題数は20問しかありません。1問の重みは、40問ある第3章の2倍です。
やっかいなことに、この章は令和8年度でもっとも内容が動いた章でもあります。2026年5月1日に改正薬機法が施行され、手引きも令和8年4月に一部改訂されました。昨年の参考書を使っている人は、正しく覚えたつもりの知識で失点します。
改訂点の確認から始めて、法規を暗記科目にしないための整理の仕方までをまとめます。
この記事の対象読者
- 第3章は仕上がってきたが、第4章に手が回っていない方
- 法規の条文を読んでも頭に入らず、後回しにし続けている方
- 昨年度以前の参考書やアプリで学習している方
- 模試で第4章だけ足切りラインを割っている方
![]()
20問しかないから、足切りが現実的な脅威になる

| 章 | 内容 | 問題数 |
|---|---|---|
| 第1章 | 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 |
| 第2章 | 人体の働きと医薬品 | 20問 |
| 第3章 | 主な医薬品とその作用 | 40問 |
| 第4章 | 薬事に関する法規と制度 | 20問 |
| 第5章 | 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 |
章の名前が見慣れない方もいるかもしれません。令和8年4月の改訂で、第4章の名称は「薬事関係法規・制度」から「薬事に関する法規と制度」へ変わりました。中身の構成は変わっていないので、旧称で書かれた教材をそのまま使っても支障はありません。
合格には二つの条件があります。総得点で120問中84問(70%)以上を取ること。そして各章で35〜40%以上を確保することです。後者の基準をどちらに設定するかは都道府県によって異なるため、受験地の受験案内で確認してください。
20問の章に当てはめると、境界は7問または8問です。20問中7問なら35%で、この1問差が合否を分ける県もあります。捨て科目にはできない一方、満点を狙う必要もありません。12問前後を安定して取れる状態が、費用対効果の合う着地点だと考えられます。
20問の中身は、手引きのⅠ〜Ⅳで捉える
第4章は、手引き上ⅠからⅣまでの4節で構成されています。どこから何問出るかは年度や実施ブロックで揺れますが、節の役割を先に把握しておくと、過去問を解いたときに「今どこを問われたか」がすぐ分かります。
| 節 | 手引きの見出し | 学習の勘どころ |
|---|---|---|
| Ⅰ | 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の目的等 | 条文の言い回しがそのまま問われやすい |
| Ⅱ | 医薬品の分類・取扱い等 | 区分の境界と記載事項の暗記 |
| Ⅲ | 医薬品の販売業の許可 | 表で横比較すると一気に整理できる |
| Ⅳ | 医薬品販売に関する法令遵守 | 誇大広告の判断基準がよく出る |
ⅡからⅣはさらに枝分かれします。Ⅱは「医薬品の定義と範囲」「容器・外箱等への記載事項、添付文書等への記載事項」「医薬部外品、化粧品、保健機能食品等」の3つ。Ⅲは「許可の種類と許可行為の範囲」「リスク区分に応じた販売従事者、情報提供及び陳列等」の2つ。Ⅳは「適正な販売広告」「適正な販売方法」「行政庁の監視指導、苦情相談窓口」の3つに分かれます。
配点の重心はⅡとⅢです。医薬部外品と化粧品の線引き、薬局と店舗販売業でできることの差。ここを取りこぼさないだけで、足切りの心配はほぼ消えます。Ⅰは条文の言い回しを問う短い設問が中心で、覚えれば確実に取れる代わりに、覚えていなければ手も足も出ません。Ⅳは常識で判断できる設問も混ざるため、優先度としては最後で構いません。
令和8年度の第4章は、昨年の教材が通用しない

令和8年度試験は「試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」から出題されます。令和7年4月版の一部改訂という位置づけで、東京都および関西広域連合の受験案内にも同様の記載があります。
改訂の背景にあるのが、2026年5月1日に施行された改正薬機法です。第4章に関わる変更は大きく3点あります。
指定濫用防止医薬品 — 名前も成分数も変わった
若年層のオーバードーズが社会問題となったことを受け、従来「濫用等のおそれのある医薬品」と呼ばれていた区分が、法律上の区分である指定濫用防止医薬品へ格上げされました。運用上のルールだったものが、遵守すべき義務になったという理解が要点です。

対象成分は6成分から8成分へ増えました。
| 成分 | |
|---|---|
| 従来からの6成分 | エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ブロモバレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン |
| 追加された2成分 | デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミン |
デキストロメトルファンは鎮咳薬に、ジフェンヒドラミンは睡眠改善薬や抗ヒスタミン薬に広く使われる成分です。第3章で覚えた成分名がそのまま第4章で問われる形になるので、章をまたいで結びつけておくと両方で効きます。
陳列にも要件がつきました。原則は、指定濫用防止医薬品陳列区画の内側に置くか、鍵をかけた陳列設備やカウンター内など購入者が直接手を触れられない方法で陳列することです。ただし、情報提供を行う設備からおおむね7メートル以内に陳列し、その設備に薬剤師または登録販売者を継続的に配置する場合は、この限りではないとされています。

さらに、18歳未満の購入者に対する大容量製品や複数個の販売は原則として禁止されました。年齢と数量が組み合わさった条件なので、正誤問題で細部を入れ替えられやすい箇所です。
特定要指導医薬品 — 対面が必要なものだけを切り出した
要指導医薬品の情報提供・指導は、これまで「対面」で行うこととされていました。改正後は「対面等」に改められ、薬剤師による映像と音声を用いたオンライン服薬指導が認められます。電話、メール、チャットのように相手の顔が見えない方法は認められません。
そのうえで、対面でなければならないものを特定要指導医薬品として切り出しました。2026年5月1日時点では、レボノルゲストレルを含有する製剤(緊急避妊薬に関するもの)が指定されています。
つまり要指導医薬品は、オンラインで対応できるものと対面が必須のものに二分されたことになります。「要指導医薬品は必ず対面」という古い暗記は、そのままだと誤りです。
特定販売 — 対象範囲が広がった
インターネットなどによる販売、いわゆる特定販売の対象に、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)が加わりました。従来は一般用医薬品と薬局製造販売医薬品に限られていた範囲が広がった形です。
この3点はいずれも改正の目玉であり、令和8年度試験で問われる可能性は高いと推定されます。手持ちの教材が令和7年版以前なら、少なくともここだけは最新の情報で上書きしてください。
条文ではなく「誰が・何を・どこまで」の表を作る

この章が覚えにくいのは、文章が長く抽象的だからです。ただし問われている内容は、突き詰めると3種類しかありません。誰が扱えるのか、何をしなければならないのか、どこまで許されるのか。この3軸で表に落とすと、章の全体像が1枚に収まります。
リスク区分を例にすると、次のような形になります。
| 区分 | 販売できる者 | 情報提供 | 陳列 |
|---|---|---|---|
| 要指導医薬品 | 薬剤師のみ | 義務(対面等) | 要指導医薬品陳列区画の内部 |
| 特定要指導医薬品 | 薬剤師のみ | 義務(対面) | 要指導医薬品陳列区画の内部 |
| 第一類医薬品 | 薬剤師のみ | 義務(書面) | 第一類医薬品陳列区画の内部 |
| 指定第二類医薬品 | 薬剤師・登録販売者 | 努力義務 | 情報提供設備から7メートル以内 |
| 第二類医薬品 | 薬剤師・登録販売者 | 努力義務 | 距離の規定なし |
| 第三類医薬品 | 薬剤師・登録販売者 | 規定なし | 距離の規定なし |
この表を自分の手で書き起こす作業自体が学習になります。埋まらないマスが、そのまま弱点の一覧です。
語尾の3分類を見分けられれば、正誤問題は半分片づく

法規の正誤問題は、内容ではなく語尾を入れ替えて誤りを作る型が定番です。
- 「〜しなければならない」は義務。違反すれば行政処分の対象になる
- 「〜するよう努めなければならない」は努力義務。実施が望ましいが違反しても直ちに処分にはならない
- 「〜することができる」は任意。判断が現場に委ねられている
第二類医薬品の情報提供は努力義務、第一類医薬品は義務。この一組を軸に据えて、他の項目を義務側か努力義務側かに振り分けていくと整理が進みます。過去問を解くときは、正誤の判定だけでなく、語尾のどこが書き換えられているかを毎回指差し確認する癖をつけてください。
数字は分野をまたいで一箇所に集める
法規には数字が散らばっています。バラバラに覚えると混線するので、数字だけを抜き出した一覧を別に作ります。
| 数字 | 内容 |
|---|---|
| 7メートル | 指定第二類医薬品を陳列する設備と、情報提供設備との距離の上限。指定濫用防止医薬品の陳列でも例外要件として登場する |
| 1.2メートル | 要指導医薬品陳列区画・第一類医薬品陳列区画の範囲。陳列設備からこの距離の内側に購入者が進入できない措置が必要 |
| 2年間 | 要指導医薬品・第一類医薬品を販売したときに作成する書面の保存期間 |
| 18歳未満 | 指定濫用防止医薬品の大容量・複数個販売の制限対象 |
| 8成分 | 指定濫用防止医薬品として指定されている成分の数 |
数字の一覧は直前期の見直しにそのまま使えます。試験当日の朝に眺めるページを作っておくと、記憶の呼び出しが速くなります。
直前2週間は、過去問から手引きへ逆に辿る
法規の学習でよくある失敗は、手引きや参考書を最初から読み通そうとすることです。文章量に対して問われる箇所は限られているので、通読は時間の使い方として効率が悪くなります。
順序を逆にします。過去問を解き、間違えた選択肢に出てきた語を手引きの該当箇所で確認する。確認した内容を、先ほどの3軸表か数字一覧に書き足す。この往復を繰り返すと、出題される範囲だけが自然に厚くなっていきます。
2026年度の試験は8月下旬から12月下旬まで、ブロックごとに日程が分かれています。自分の受験地まで残り何週間あるかで配分は変わるので、日程はブロック別日程の見方で先に確認しておいてください。
第3章の成分暗記についてはカタカナ成分を最短で覚える科学的暗記法で扱っています。ただし法規は暗記より整理の科目なので、同じやり方をそのまま持ち込まないほうがうまくいきます。
まとめ
20問という少なさが足切りの脅威を現実的にし、そこへ令和8年度の大きな改訂が重なりました。指定濫用防止医薬品の8成分、特定要指導医薬品の新設、特定販売の拡大。この3点を最新の情報で押さえるだけで、他の受験者との差がつきます。
残りの部分は、条文を覚える作業ではありません。誰が・何を・どこまでを1枚の表に落とし、語尾で義務と努力義務を見分ける。整理し終えた時点で、第4章は取れる章に変わります。今日やるべきことは、リスク区分の表を白紙から一度書いてみることです。
よくある質問
第4章と第5章はどちらを先に対策すべきですか?
第4章です。第5章は第1章や第3章と内容が重なる部分があり、他章の学習が進むにつれて自然に得点が上がります。第4章は独立しているため、意識して時間を割かないと伸びません。
改正内容は本当に令和8年度試験に出ますか?
手引きに反映された内容は出題範囲に含まれます。改訂直後の項目が必ず出るとは限りませんが、社会的な注目度が高い改正であり、出題される可能性は高いと推定されます。
都道府県によって足切りが違うのはなぜですか?
試験の実施主体が都道府県(またはブロック単位の共同実施)であり、合格基準の設定に一定の裁量があるためです。受験地の受験案内に明記されているので、必ず自分の受験地の基準を確認してください。
参考文献・情報源
📝 更新履歴
- 2026年8月2日:初版公開
関連記事

登録販売者試験に「模試」はなぜ必要か|点数より偏差値・順位で現在地を知る【公開模試】
登録販売者試験の対策に模試が効く理由を学習科学から解説。多くのアプリは点数しか見せませんが、偏差値・順位・分布で「全体の中の自分」を知ることが合格への近道です。項目ごとの足切り対策にも有効。

2026年度 登録販売者試験 願書受付スタート|ブロック別日程の見方と今から間に合う勉強法
2026年度(令和8年度)登録販売者試験の願書受付が各地で始まりました。ブロック別に8月下旬〜12月下旬と試験日が異なり、受付期間も短いのが特徴です。受験地の日程・締切の確認方法と、試験日から逆算した今から間に合う独学の勉強法を解説します。
登録販売者 第3章 頻出成分リファレンスTOP30|カテゴリ別の成分名・副作用・禁忌まとめ【2026年版】
登録販売者試験 第3章『主な医薬品とその作用』の頻出成分をカテゴリ別TOP30で整理したリファレンス記事。解熱鎮痛・鎮咳去痰・胃腸・アレルギー・生薬・漢方を網羅し、各成分の作用・副作用・年齢制限をひと目で確認できる早見表として使えます。学習戦略は関連記事、実戦対策はこの記事で、の二段構え。