医薬品登録販売者試験の難易度|合格率40%でも落ちる「各章35%」の壁と他資格比較【2026年版】

この記事の結論
- 登録販売者は一般用医薬品(第二類・第三類)を販売できる国家資格
- 試験は都道府県ごとに実施。5択120問・240分で、全国平均合格率は40〜50%
- 出題範囲は5章構成。第3章「主な医薬品」が最大の山場
- 2015年度以降、受験資格の制限が撤廃され誰でも受験可能
- 独学でも合格可能だが、暗記カード・過去問演習・模擬試験の併用が効果的
この記事を監修
平沼柊哉
登販道場 代表
登録販売者試験の合格率は、2025年度の全国平均で約40%です。2人に1人弱が受かる数字なので、国家資格としては合格しやすい部類に入ります。
ただし、この数字だけで難易度を測ると読み違えます。この試験には各章に足切りがあり、総得点が合格ラインに届いていても1章でも基準を割れば不合格になるからです。合格率が示すのは平均的な通りやすさで、落ちる人がどこで落ちているかは別の場所に表れます。
合格率の推移と地域差、他資格との比較、そして足切りの実際の数字から、この試験の難易度を整理します。
合格率と難易度
全国平均合格率の推移|2025年度は約40%まで下がった
登録販売者試験の全国平均合格率は、長く**40〜50%**の範囲で推移してきました。ただし直近の2025年度は約40%で、前年から5ポイントほど下がっています。
| 年度 | 全国平均合格率 |
|---|---|
| 2020年度 | 41.5% |
| 2021年度 | 49.3% |
| 2022年度 | 44.4% |
| 2023年度 | 44.0% |
| 2024年度 | 約45% |
| 2025年度 | 約40% |
厚生労働省は全国集計を一本の数字で公表していないため、2024年度以降は各ブロック・都道府県の公表値を集計した推計値です【要確認】。年度をまたいだ比較には幅を持たせて読んでください。
それでも2人に1人弱は受かる試験で、国家資格の中では合格しやすい部類に入ります。ノー勉で受かるほど簡単ではない、という程度の難易度です。
都道府県による合格率の差は2倍以上ある
見落とされやすいのですが、合格率の地域差はかなり大きい。2025年度の実績では次のように開きました。
| 地域 | 2025年度の合格率 |
|---|---|
| 北海道 | 54.8% |
| 群馬県 | 54.0% |
| 北陸・東海ブロック | 50.7% |
| 東京都 | 39.9% |
| 関西広域連合 | 38.6% |
| 九州・沖縄ブロック | 27.2% |
| 佐賀県 | 24.4% |
| 沖縄県 | 23.2% |
上と下で2倍以上です。ただし**「合格率が高い地域の試験が簡単」とは限りません**。問題はブロックごとに作られるため難易度に差が出る余地はありますが、受験者の層や準備の程度も数字を動かします。
受験地選びより効いてくるのは、複数ブロックを受けられることです。登録販売者試験は住所地に関係なく、日程が重ならなければ複数の都道府県で受験できます。1年のうちに2回、3回とチャンスを作れる。最初のブロックで届かなかったときの保険になります。
合格率40%の裏にある「各章35%」の足切り
難易度を読み違えるいちばんの原因が、合格基準が二段構えになっていることです。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 総得点 | 120問中84問(70%)以上 |
| 各章 | 35%以上(都道府県によっては40%以上) |
35%を問題数に直すと、20問の章は7問、40問の第3章は14問が下限です。総得点で84問に届いていても、どこか1章がこの数を割った時点で不合格になります。
さらに効いてくるのが、第3章の配点の重さです。第3章を足切りぎりぎりの14問で通した場合、合格に必要な残りは84−14=70問。これを第1・2・4・5章の80問で取るとなると、正答率は87.5%が必要です。4つの章すべてで9割近くを維持する前提は現実的ではありません。
第3章を28問(7割)まで上げれば、残り80問に必要なのは56問で70%。他の章と同じ水準に収まります。つまり第3章は、そこで何問取るかが他の4章に要求される精度まで決めてしまう章です。足切りを避ける対象として扱うと、計画そのものが成り立ちません。
合格率が40%あってなお落ちる人が出るのは、この構造のためです。章別の採点と過去問の使い方は登録販売者の過去問は合計点で採点しないにまとめています。
他の資格試験との難易度比較
| 資格 | 合格率 | 学習期間の目安 |
|---|---|---|
| 登録販売者 | 40〜50% | 3〜6ヶ月 |
| 宅建士 | 15〜17% | 6〜12ヶ月 |
| FP3級 | 70〜80% | 1〜2ヶ月 |
| 日商簿記3級 | 40〜50% | 2〜4ヶ月 |
合格率だけ見ると簿記3級と同程度ですが、暗記量の多さを考慮すると、登録販売者試験のほうがやや大変だと感じる方が多いです。
登録販売者とは?
一般用医薬品の販売を担う専門家
登録販売者とは、一般用医薬品(OTC医薬品)のうち第二類・第三類医薬品を販売できる専門資格です。2009年の薬事法改正(現:医薬品医療機器等法)によって誕生しました。
ドラッグストアや薬局で、お客様に医薬品の適切な使用方法や副作用などを説明し、安全に医薬品を販売するのが主な役割です。
取り扱える医薬品の範囲
医薬品は、リスクの高さに応じて以下のように分類されています。
| 分類 | 具体例 | 販売できる資格 |
|---|---|---|
| 要指導医薬品 | スイッチ直後の医薬品など | 薬剤師のみ |
| 第一類医薬品 | ロキソニンS、リアップなど | 薬剤師のみ |
| 第二類医薬品 | 風邪薬、解熱鎮痛薬、胃腸薬など | 薬剤師 or 登録販売者 |
| 第三類医薬品 | ビタミン剤、整腸薬など | 薬剤師 or 登録販売者 |
一般用医薬品の約9割は第二類・第三類医薬品に該当します。つまり、登録販売者がいれば、ドラッグストアで販売されているほとんどの医薬品を取り扱えるのです。
なぜ今注目されているのか
登録販売者が注目を集めている背景には、いくつかの要因があります。
- セルフメディケーション推進: 国の方針として、軽い症状は自分で市販薬を使って対処する「セルフメディケーション」が推進されています
- 薬剤師不足の補完: 薬剤師の人数だけでは全ての販売拠点をカバーしきれないため、登録販売者の需要が高まっています
- ドラッグストア市場の拡大: コンビニやスーパーでも医薬品を販売する店舗が増え、有資格者の需要が増加しています
- 受験資格の撤廃: 2015年度から実務経験なしでも受験できるようになり、受験のハードルが大幅に下がりました
試験の概要
基本情報
登録販売者試験の基本的な情報をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験実施者 | 各都道府県 |
| 試験形式 | マークシート方式(5択) |
| 問題数 | 120問 |
| 試験時間 | 240分(午前120問 or 午前・午後に分けて実施) |
| 合格基準 | 総合で70%以上(84点以上)+各章で35〜40%以上 |
| 受験料 | 12,800〜18,200円程度(都道府県により異なる) |
| 受験資格 | 不問(誰でも受験可能) |
都道府県ごとの実施
登録販売者試験は都道府県ごとに実施されます。これは他の国家試験と異なる大きな特徴です。
- 試験日が都道府県によって異なる
- 問題も都道府県(ブロック)ごとに異なる
- 複数の都道府県で受験することも可能(居住地以外でも受験OK)
つまり、一つの都道府県で不合格になっても、別の都道府県の試験日がまだ残っていれば再チャレンジできます。また、日程が合えば複数回受験して合格のチャンスを増やすことも可能です。
試験の実施時期
試験は一般的に8月〜12月にかけて各都道府県で順次実施されます。地域によってスケジュールが大きく異なるため、受験を予定している都道府県の公式情報を必ず確認してください。
出願期間は試験日の2〜3ヶ月前に設定されていることが多く、うっかり出願期間を逃さないよう注意が必要です。
出題範囲 ー 5章の構成
登録販売者試験は、厚生労働省が定める「試験問題作成に関する手引き」に基づいて出題されます。全5章で構成されており、それぞれの特徴を把握することが学習の第一歩です。
第1章:医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問)
医薬品の本質、副作用、適切な使用法、薬害の歴史など、医薬品全般に関する基礎的な知識が問われます。
- 医薬品の本質(リスク、効果と副作用の関係)
- 医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因
- 適切な医薬品選択と受診勧奨
- 薬害の歴史(サリドマイド、スモン、HIV、CJDなど)
難易度はやや低めで、常識的な判断で解ける問題も多いです。ただし、薬害の歴史は具体的な事件名や年代を覚える必要があります。
第2章:人体の働きと医薬品(20問)
身体の構造と機能、医薬品が体内でどのように作用するかに関する知識が問われます。
- 消化器系、呼吸器系、循環器系などの臓器の働き
- 薬の吸収・代謝・排泄のメカニズム
- 副作用の症状と対処法
暗記量が多い章です。人体の各臓器の名称や役割、医薬品の体内動態などを正確に覚える必要があります。図を活用しながら理解を深めることをおすすめします。
第3章:主な医薬品とその作用(40問)
各種医薬品の成分名、効能効果、副作用などが問われる、試験の最大の山場です。120問中40問を占め、配点も高くなっています。
- かぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸薬、アレルギー用薬など
- 各成分の作用機序、副作用、相互作用
- 漢方処方製剤、生薬
成分名の暗記が非常に多いのが特徴です。「アセトアミノフェン」「イブプロフェン」「ジフェンヒドラミン塩酸塩」など、カタカナの成分名を大量に覚える必要があります。多くの受験者がこの章で苦労しますが、ここを乗り越えられれば合格がぐっと近づきます。
第4章:薬事関係法規・制度(20問)
医薬品の販売に関する法律や制度が問われます。
- 医薬品医療機器等法の概要
- 医薬品の分類と販売制度
- 登録販売者の義務と責任
- 行政の監視・指導
条文の正確な理解が求められます。「〜しなければならない」と「〜するよう努めなければならない」の違いなど、細かい表現の違いが問われることがあります。
第5章:医薬品の適正使用・安全対策(20問)
医薬品の添付文書の読み方、副作用報告制度、医薬品の安全対策に関する知識が問われます。
- 添付文書の読み方(使用上の注意、成分表示など)
- 副作用報告制度(医薬品副作用被害救済制度)
- 医薬品の安全対策の歴史
実務的な知識が中心で、第1章の薬害の歴史とも関連します。添付文書の実物を見ながら学習すると理解が深まります。
効果的な勉強法
勉強の全体像
合格のための勉強法は、大きく分けて以下の3ステップです。
- テキストで全体像を理解する(インプット)
- 問題演習で知識を定着させる(アウトプット)
- 模擬試験で本番に備える(仕上げ)
多くの合格者が共通して言うのは、「テキストを読むだけでは合格できない。問題を解くことが最も重要」ということです。
ステップ1:テキストで全体像を把握
まずは登録販売者試験のテキストを1冊通読し、全体像を把握しましょう。最初は理解できない部分があっても構いません。「こういう内容が出るのか」という感覚をつかむことが目的です。
テキスト選びのポイント:
- 図やイラストが豊富で視覚的にわかりやすいもの
- 最新の「試験問題作成に関する手引き」に対応しているもの
- 章末に確認問題がついているもの
ステップ2:問題演習で知識を定着
テキストを一通り読んだら、すぐに問題演習に取りかかりましょう。インプットとアウトプットの比率は3:7くらいが理想です。
問題を解く際のコツは以下のとおりです。
- 間違えた問題をノートに記録する: 自分の弱点が一目でわかるようになります
- 選択肢の一つ一つを検討する: 正解の選択肢だけでなく、なぜ他の選択肢が不正解なのかも理解する
- 繰り返し解く: 同じ問題を期間を空けて繰り返すことで、記憶が定着します
特に第3章の成分名の暗記には、暗記カードやSRS(間隔反復システム)を活用した学習が効果的です。SRSとは、覚えにくい内容は短い間隔で、覚えた内容は長い間隔で復習するシステムのこと。科学的に記憶の定着効率が高いことが証明されています。
ステップ3:模擬試験で仕上げ
試験の1〜2ヶ月前から、本番と同じ形式で模擬試験に取り組みましょう。
- 120問を240分で解く: 時間配分の練習が非常に重要です
- 70%以上を安定して取れるか確認: 合格基準の84点以上を常にクリアできるようになれば安心です
- 各章の足切りに注意: 総合点が合格基準を満たしていても、各章で35〜40%を下回ると不合格です
暗記のコツ
登録販売者試験は暗記量が多い試験です。効率的に暗記するためのコツをいくつかご紹介します。
成分名はグループで覚える: 例えば抗ヒスタミン成分なら「ジフェンヒドラミン」「クロルフェニラミン」「メキタジン」をまとめて覚えます。個別に覚えるよりも、カテゴリごとに整理するほうが記憶に残ります。
語呂合わせを活用する: 長いカタカナの成分名は、語呂合わせで覚えると効率的です。ネット上にも多くの語呂合わせが公開されています。
毎日少しずつ復習する: 一度に大量に覚えようとするよりも、毎日15〜30分の復習を続けるほうが記憶に定着します。通勤時間やちょっとしたスキマ時間を活用しましょう。
合格後にどんな働き方と収入になるのかは登録販売者の年収は300〜450万円にまとめています。管理者の要件を満たすと手当がつく仕組みまで扱いました。
登販道場で効率的に合格を目指す
「登販道場」は、登録販売者試験の合格を最短距離で目指すためのWebアプリです。
- 章・セクション別の問題演習: 5章の出題範囲を細かく分けて、ピンポイントで弱点を克服
- 暗記カード: 成分名や薬効の暗記にSRS(間隔反復システム)を搭載。覚えにくい内容を効率的に復習
- 模擬試験モード: 本番と同じ120問・240分形式で実力チェック
- 学習進捗の可視化: ダッシュボードで学習状況を一目で把握
スキマ時間にスマホで問題を解くだけでも、着実に知識が身についていきます。独学の不安を解消し、合格への最短ルートを進みましょう。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資格の内容 | 第二類・第三類医薬品の販売 |
| 試験形式 | 5択120問・240分 |
| 合格基準 | 総合70%以上 + 各章35〜40%以上 |
| 合格率 | 全国平均40〜50% |
| 学習期間の目安 | 3〜6ヶ月 |
| 受験資格 | 不問(誰でも受験可能) |
登録販売者は、受験資格の制限がなく、合格率も比較的高い国家資格です。それでいて、取得後はドラッグストアをはじめとした幅広い職場で活かせる実用的な資格でもあります。
必要なのは、正しい勉強法で計画的に学習を進めることだけです。テキストで基礎を理解し、問題演習で知識を定着させ、模擬試験で仕上げる。このサイクルを回し続ければ、合格は十分に手の届くところにあります。
参考文献・情報源
📝 更新履歴
- 2026年4月6日:初版公開
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