登録販売者試験は何問間違えたら不合格?合格率・難易度と各章の足切り基準
この記事の結論
- 総得点84点を基準とする場合、37問以上間違えると総得点不足(84点未満)で不合格になります
- 総得点84点を基準とする場合、36問の間違い(84点正解)でも1つの章で足切り基準を下回ると不合格になります
- 合格基準は「総得点70%以上(84問)」と「各章35%〜40%以上」の2段階です
- 試験は各都道府県で実施され、マークシート方式120問、試験時間は計240分です
- 学歴や実務経験に関係なく誰でも受験できます
この記事を監修
平沼柊哉
登販道場 代表
登録販売者試験(全120問・各1点)で84点(70%)が合格基準の場合、37問以上不正解になると総得点不足で不合格になります。また、不正解が36問以内(正解84問以上)であっても、いずれかの章で足切り基準を下回ると不合格になります。
自己採点での合否判定の仕組み、章別の足切りライン、合格率、効率的な学習手順を整理しました。
合格率と難易度の実態
2025年度の全国合格率は40.7%
厚生労働省が公表する全国集計では、次の結果でした。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 54,526人 | 25,459人 | 46.7% |
| 2025年度 | 58,996人 | 24,004人 | 40.7% |
出典:2024年度実施状況、2025年度実施状況。受験者数と合格者数は延べ人数です。
地域の合格率だけで受験地を決めない
2025年度は北海道54.8%、東京都39.9%、関西広域連合38.6%、沖縄県23.2%でした。同じ年度でも差がありますが、問題や受験者の構成が異なります。翌年度の合格しやすさを保証する数字ではありません。日程や会場、出願条件も確認して受験地を選びましょう。
合格基準は総得点70%と足切り|何問不正解で不合格になるか
合否判定では、総得点と各章の正答率を組み合わせた判定方式が採用されています。基準割合は自治体ごとに定められます。
| 自治体・年度例 | 総得点基準 | 各章の足切り基準 |
|---|---|---|
| 東京都(2025年度) | 120問中84点(70%)以上 | 各章35%以上(1問1点) |
| 北海道(2026年度) | 原則120問中84点(70%)以上 | 原則各章40%以上 |
※年度や自治体によって基準が異なる場合があります。受験する地域の同年度の試験案内で確認してください。最終的な合否は各自治体の公式発表に基づきます。
章ごとの必要正解数は以下のとおりです。
| 出題数 | 35%基準の必要正解数 | 40%基準の必要正解数 |
|---|---|---|
| 20問の章(第1・2・4・5章) | 7問以上 | 8問以上 |
| 40問の章(第3章) | 14問以上 | 16問以上 |
3つの自己採点パターン(35%基準での学習用例)
自己採点を行う際の判断例です(配点:第1〜5章が順に20点・20点・40点・20点・20点、計120点)。公式の合否判定ではありません。
| 例 | 章別正解数(第1 / 第2 / 第3 / 第4 / 第5) | 合計正解(不正解数) | 判断(学習用目安) |
|---|---|---|---|
| ケースA | 14問 / 14問 / 28問 / 14問 / 14問 | 84問(36問不正解) | 条件満たす(総得点・各章基準とも達成) |
| ケースB | 6問 / 18問 / 30問 / 15問 / 15問 | 84問(36問不正解) | 章不足(第1章が35%未満の足切り) |
| ケースC | 14問 / 14問 / 27問 / 14問 / 14問 | 83問(37問不正解) | 総得点不足(全章基準満たすが1点不足) |
自己採点時は、各自治体から公表される公式正答および採点上の取扱い(複数正答や全員正答などの措置)を確認したうえで照合します。
章ごとの採点基準を踏まえた過去問の演習方法は、登録販売者の過去問は合計点で採点しないで詳しく解説しています。
登録販売者制度の概要
一般用医薬品の販売を担う専門職
登録販売者は、一般用医薬品(OTC医薬品)のうち「第二類医薬品」および「第三類医薬品」を販売するための公的資格です。2009年の薬事法(現・医薬品医療機器等法)改正によって創設されました。
店舗を訪れた購入者に対し、成分の特徴や注意すべき副作用、適切な服用方法を説明し、安全な医薬品の選択を支援する役割を持ちます。
取り扱える医薬品の区分
一般用医薬品はリスクの度合いに応じて分類されています。
| 医薬品区分 | 特徴と主な対象 | 販売できる専門職 |
|---|---|---|
| 要指導医薬品 | スイッチ直後などで特に慎重な取り扱いが必要な医薬品 | 薬剤師のみ |
| 第一類医薬品 | 副作用等により日常生活に支障を来す健康被害が生じるおそれがある医薬品 | 薬剤師のみ |
| 第二類医薬品 | まれに入院相当以上の健康被害が生じるおそれがある医薬品(かぜ薬、解熱鎮痛薬など) | 薬剤師 または 登録販売者 |
| 第三類医薬品 | 身体の変調・不調が生じるおそれがある医薬品(ビタミン剤、整腸薬など) | 薬剤師 または 登録販売者 |
市販されている一般用医薬品のうち大半は第二類・第三類医薬品が占めています。そのため、ドラッグストアや薬局、コンビニエンスストアなどの現場において、登録販売者は医薬品販売の多くを担うことができます。
社会的な需要の背景
登録販売者の需要が安定している背景には、次のような社会的事情があります。
セルフメディケーションの推進により、軽度な不調を一般用医薬品で手当てする取り組みが推奨されています。一方で、すべての販売店舗に薬剤師を常駐させることは難しいため、第二類・第三類を販売できる登録販売者の配置が欠かせません。
また、ドラッグストアだけでなくスーパーやホームセンター、コンビニなど医薬品を扱う業態が広がったことや、2015年度以降に受験資格の実務経験要件が撤廃されたことも資格取得を目指す人が増えた要因です。
試験の実施形式と出願
基本情報一覧
登録販売者試験の実施要項の基本事項は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験実施者 | 各都道府県 |
| 出題形式 | マークシート方式(択一式・多肢選択式) |
| 問題数 | 120問 |
| 試験時間 | 計240分(前半120分・後半120分等に分割) |
| 合格基準 | 総得点70%以上 + 各章35〜40%以上(自治体ごとに決定) |
| 受験手数料 | 約13,000〜18,000円前後(都道府県条例による) |
| 受験資格 | 制限なし(学歴・年齢・実務経験不問) |
都道府県別の実施と日程
試験日程や願書受付期間は都道府県ごとに定型化されておらず、例年8月から12月にかけて順次行われます。出願期間は試験日の2〜3ヶ月前に締め切られるケースが多いため、受験を予定している自治体の公式ウェブサイトで早期に募集要項を確認する必要があります。
出題範囲(全5章)の特徴
試験問題は厚生労働省が定める「試験問題作成に関する手引き」から出題されます。全120問は5つの章に分かれており、章ごとに出題意図が異なります。
第1章:医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問)
医薬品の本質、有効性と安全性、副作用の起きる仕組み、薬害の歴史を扱います。
- 医薬品の定義と相互作用のリスク
- 年齢・体質・妊娠等の個人差による影響
- セルフメディケーションと適切な受診勧奨
- 主な薬害事件(サリドマイド、スモン、HIV感染、CJDなど)の背景と教訓
基礎知識を問う平易な設問が多いものの、薬害の歴史では原因物質や被害概要、導入された法制度を正確に区別して答える必要があります。
第2章:人体の働きと医薬品(20問)
身体の各器官の構造と機能、医薬品が吸収されてから排泄されるまでの代謝動態、副作用の症状を扱います。
- 消化器、呼吸器、循環器、神経系などの仕組み
- 消化管からの吸収、肝臓による代謝、腎臓による排泄の経路
- 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)や間質性肺炎などの重篤な副作用症状
人体の生理機能に関する専門用語を整理し、体内で起こる現象の流れを把握することが得点につながります。
第3章:主な医薬品とその作用(40問)
各種医薬品に配合される有効成分の作用、副作用、相互作用、漢方処方製剤などを問う試験最大の山場です。全120問中40問を占めます。
- かぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸薬、抗アレルギー薬などの薬効群
- 中枢神経系・自律神経系に作用する成分の特徴
- 漢方処方製剤の適応症と基本的な生薬の知識
カタカナ成分の名称や安全上の留意点(配合禁忌や相談事項)を正確に記憶する必要があります。第3章の失点を防ぐことが試験全体の合否を左右します。
第4章:薬事関係法規・制度(20問)
医薬品医療機器等法をはじめとする法制度、医薬品の分類、店舗販売業のルールを扱います。
- 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の定義と区分
- 要指導医薬品および一般用医薬品の販売方法・陳列ルール
- 登録販売者の業務範囲と義務
- 医薬品の適正な広告規制や行政処分
条文に即した正確な知識が求められ、「義務(〜しなければならない)」か「努力義務(〜するよう努めなければならない)」かといった細部の表現を精査する設問が多く見られます。
第5章:医薬品の適正使用・安全対策(20問)
添付文書の読み解き方、医薬品副作用被害救済制度、安全対策に関する情報提供を扱います。
- 添付文書に記載される「してはいけないこと」「相談すること」の理由と根拠
- 医薬品副作用被害救済制度の給付種類と申請手続き
- 緊急安全性情報(イエローレター)などの安全性情報伝達体制
第3章で学ぶ各成分の禁忌や相互作用が、添付文書上の注意喚起と連動して出題されます。実務に即した知識の定着が試される章です。
効果的な学習の手順
学習の流れ
学習は以下の順序で進めるのが基本です。
- テキストを通読して全体の構造を把握する
- 過去問演習を中心に行い、選択肢単位で正誤の根拠を確認する
- 本番形式の模擬試験で時間配分と足切り基準のクリア状況を確認する
テキストの通読に過度な時間を費やすのではなく、早い段階から過去問に触れ、問われ方に合わせて知識を定着させていく進め方が適しています。
テキストの選定と読み進め方
最初の通読では、細部まで完全に覚えようとせず、第1章から第5章までの構成を把握します。
教材を選ぶ際は、厚生労働省の最新の「試験問題作成に関する手引き」に対応しているものを選びます。制度改正によって変更された記述や用語に対応した教材を使うことが前提です。
過去問を活用した知識の定着
試験対策の中心は問題演習です。問題を解く際は、正解したかどうかだけでなく、誤りの選択肢がどの記述によって誤りになっているのかを確認します。
- 間違えた問題は手引きの記述やテキストに戻って確認する
- 似た名称の成分や作用が異なる成分を対比して整理する
- 過去数年分の問題を繰り返し解き、出題パターンを把握する
特に第3章の成分学習では、同一の薬効群(抗ヒスタミン成分、解熱鎮痛成分など)ごとに成分を並べて整理すると、混乱を防ぎやすくなります。
模擬試験による足切りの回避策
本番の直前期には、120問を240分(前後半各120分など)で解く模擬演習を行います。
確認すべき点は、全体で84問以上得点できているかどうかに加え、各章で足切り基準(35〜40%)を下回っている章がないかという点です。苦手な章を放置していると、総得点が高くても不合格となるリスクが残ります。
合格後のキャリアや管理者要件に関する実務情報は、登録販売者の年収と管理者要件で整理しています。
登販道場を活用した演習の進め方
登録販売者試験対策アプリ「登販道場」では、効率的な学習を支援する機能を提供しています。
- 章ごとの個別演習: 5つの章を出題範囲別に分類し、苦手な領域を集中的に復習できます
- 成分名対策の演習: 第3章の有効成分や副作用の知識を効率よく定着させる設計です
- 模擬試験機能: 本番と同じ120問の形式で、時間配分と各章の得点バランスを確認できます
- 進捗管理画面: 得点履歴や学習の進み具合を一目で確認できます
日々のスキマ時間を活用して問題演習を継続することで、着実に合格水準へ近づくことができます。
まとめ
| 項目 | 試験要項の概要 |
|---|---|
| 取り扱い区分 | 第二類・第三類医薬品の販売 |
| 出題形式 | 5肢択一などのマークシート方式(120問) |
| 試験時間 | 計240分 |
| 合格ライン | 総得点70%以上 + 各章35〜40%以上(自治体規定による) |
| 合格率水準 | 2025年度40.7% |
| 受験資格 | 制限なし |
登録販売者試験は、総得点だけでなく各章の足切り基準を確実に突破することが合否の分かれ目になります。配点の大きい第3章で安定して得点できる実力を養い、過去問演習を中心とした学習を積み重ねることが合格への着実な道筋となります。
よくある質問
登録販売者試験は何問間違えたら不合格ですか?
全120問(各1点)で合格基準が総得点84点(70%)の場合、間違えた問題が37問以上になると総得点不足で不合格になります。また、間違えた問題が36問以下であっても、いずれか1つの章で足切りライン(各章35%または40%)を下回ると不合格になります。
登録販売者試験の合格率はどのくらいですか?
厚生労働省の全国集計では、2024年度は46.7%、2025年度は40.7%です。複数の地域を受験する人もいるため、受験者数・合格者数は延べ人数です。各章の基準も含め、合格条件は受験地の案内で確認します。
登録販売者試験は独学でも合格できますか?
独学での合格も可能です。厚生労働省の「試験問題作成に関する手引き」に準拠したテキストや過去問を活用し、計画的にインプットと問題演習を重ねることが大切です。
登録販売者試験の受験資格はありますか?
2015年度の制度改正以降、学歴や実務経験、年齢などの制限はなく、誰でも受験できます。なお、試験合格後に単独で医薬品売り場を管理する店舗管理者等になるには、別途定められた実務従事経験が必要です。
登録販売者と薬剤師の違いは何ですか?
薬剤師はすべての医薬品(要指導医薬品、第一類、第二類、第三類医薬品)を取り扱えます。登録販売者は、一般用医薬品のうち第二類医薬品および第三類医薬品の販売を担当します。
参考文献・情報源
- 厚生労働省 - 登録販売者制度について
- 厚生労働省 - 試験問題作成に関する手引き(令和8年4月)
- 東京都保健医療局 令和7年度登録販売者試験案内(2026年9月29日確認)
- 北海道 令和8年度登録販売者試験について(2026年9月29日確認)
- 厚生労働省 - 店舗管理者等の要件について
📝 更新履歴
- 2026年9月29日:何問不正解で不合格になるかの計算基準、3パターンの自己採点例、自治体別(東京都・北海道)の基準例を追加
- 2026年9月17日:本文と関連情報を見直し、説明を整理
- 2026年4月6日:初版公開
関連記事
登録販売者 第5章の覚え方|添付文書・副作用報告・救済制度を整理
登録販売者試験第5章の添付文書の区分、副作用報告、救済制度、安全性情報の相違点を整理。手引きに基づく正確な確認手順と答えを隠して思い出す練習法を解説します。
登録販売者の過去問活用法|合計点と章別得点から復習を進める
登録販売者試験の過去問は全国10ブロックで別々に作成されます。総得点だけでなく各章の足切り基準があるため、第3章で失点すると残り4章で高い正答率が求められます。過去問の集め方、解く順番、手引き改訂時の注意点を整理しました。
登録販売者の勉強アプリ比較【2026年版】「無料」の3タイプと、章別に効くアプリの選び方
登録販売者試験のアプリ選びは、無料の適用範囲、第3章や第4章といった章別の学習形式、そして各自治体の足切り基準に対応できる章別正答率の記録機能の有無で判断します。それぞれの特徴と直前期の使い方を整理しました。